愛用の鹿番長② ケトル

伊達直人

2012年02月18日 05:01

山での食事など、お湯を沸かせる時間があるときの食事は、カップラーメンとコーヒーが欠かせない。

すると、沸かすお湯の量は、400mL+200mLになる。二人分だと、カップラーメン用を先に沸かすなどの時間差は必要だが、倍の量をケトルに入れることになる。
そこから考えて、必要なケトルの容量は1L前後になる。

アウトドア製品のケトルは、小さすぎたり、取っ手が不安定だったり、材質としてどうかなという物だったりして、僕にとっては今一つだった。
いろいろと見た中で、一番「これでいい」と思えたのが、このキャプテンスタッグ製ケトルである。





キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) キャンピングケットルクッカー900ml






ホームセンターでよくよく吟味できたというのもよかった。
ここのケトルは、0.9L,2.0L,3.1Lと3サイズ用意されているというのが面白い(そんなでかいのは、キッチン用でいいではないか)。

一番いいのは、本体の持ち手がぐらぐらせず、しっかり保持できるのがいい。
使い方に気づかなかった当初は、常に持ち手が蓋上にくるようにして使っていた。持ち手の根元は、ネジで留める仕組みで、いくらでも外して調節できる、至って故障の少ない、手入れのしやすいシンプルな構造である。
かたづける際は、持ち手を下げて、蓋を押さえつけるようにしてしまえるのも、コンパクトでいい。
オリジナリティの高いデザインである。

数年たって、普通の鍋のように持ち手の向きを変えればもっと使いやすいではないか、と気づいた。



それまで、焚き火の上に架けっぱなしにするような使い方をすると、どのケトルでもそうだが、熱い火の上に手をかざさなければならないし、蓋に触れると熱いし、と気を遣うことがあったのだ。
しかしこのケトルは、鍋のように持ち手が長く、多少酔っていても掴みやすいし注ぎやすい。
そうした荒々しい扱いにうってつけだったのである。
つまり、汎用性・信頼性が高い

メーカーでは、この持ち手の特性から、「鍋としても使える」と謳っているようだが、それはありだろうな。注ぎ口の洗いづらさを考えると、とろりと粘度の高い汁物は扱わない方がいいだろう。

キャプテンスタッグ(パール金属)は、たまにこうしたシンプルでありながら肝をおさえた製品をデザインしているので、よくよく見る必要があるのだ。小さな会社ではないので、どんなデザイナーさん、職人さんが、どんな企画を経て出してきたのだろうな、と興味深い。

このケトルには、用の美を見いだすのである。


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