“焚き火ポンチョ”なる物の存在を、秀岳荘で初めて見た。
そうか、なんと便利な品だろうか。今までジージャンをきていたが、いつも燻したにおいがついてしまい、すぐに洗うしかなく面倒だったのだ。
これだ。これは欲しい。
試着もして相当迷ったのだが、購入は見送った。ちょっとごつすぎたのである。
スナフキンの服のように、もう少し風になびくような軽さが欲しい。
さらに、キャンバス地は耐火性が高いかもしれないが、保温性がいいわけでもなく着心地が悪い。
自分で好みの生地でつくればいいか、と簡単に考えてしまった。
ネット上で調べたところ、ポンチョの作り方はかなりヒットしたのだった。
何とかなりそうだと高をくくって、いそいそと手芸店に出かけ、生地とトグルを入手してきた。
ざっくりとした風合いで、耐火性も考えると化繊の入っていない物。綿麻の混合の物にした。
こんなの数時間でできるだろう、と思っていたのだが、なんと、まずは洗濯しなければならないとは。
3mもあって干す場所に困り、階段の柵にかけて干す。やる気が削がれていく。
とにかく今回は作ることが大事、と自分に言い聞かせて、裏地を付けて丁寧に仕上げるよりも、迷わず完成にこぎ着けることを一番に考えた。
しかし、わからないことだらけである。曲線部分の縫い方などを聞きながらで、とても時間がかかった。フードは結局、型紙を使わざるを得なかった。
自分なりの工夫、使い勝手の向上としては、脇を留める小トグルをつけたこと、吊すための掛けひもをつけたことである。手袋をはめての作業もあるかもしれないと、この点にはひもよりも張りのある細めのレザースエードを使った。
製作は延べ3日。
作ったはいいがデビューは来季かな、と思っていたのだが、思いがけず12月21日の、ジャパンバーベキューカレッジのイベントキャンプに参加し、活用することができた。
自分の体に合わせたので程よい裄丈、袖丈で、肉汁が多少ついても気にすることなく、焚き火に当たっていたのだった。
燻されたにおいはポンチョに当然ついたが、その下のジャケット等からは全く臭いがせず、全て吸着してくれたようだ。
思い通りの効果である。
今シーズン、ちょっと肌寒い時はこれで焚き火だな。
なお、札幌のカナリヤではアフリカ柄の綿100%生地がたまに格安で売られていて、次はあれで作ろう、と目論んでいる。
ちなみに、スナフキンがかぶっているタイプの帽子は、以前ノイシュヴァンシュタイン城の麓、フュッセンの土産物屋で売られているのを見た。とてもスーツケースに入りそうもなく、購入はあきらめたのだが。ワンダーフォーゲルの衣装のような物なんだろうか?あっ、次はあの帽子をフェルトで作ろうか。
ああ、どうやら僕はスナフキンの服装に憧れているんだな。