登山靴の耐用年数
2013 10月 積丹岳
2年前の10月、みぞれまじりの積丹岳の登山途中で、靴が壊れるというアクシデントに遭った。
登山口でレインウェアを着込み、降り続く雨が登山道にそのまま小川や池を作る中、足を踏み入れながら登っていった。
途中から、ぐちゅっぐちゅっ、と水が浸みこむ嫌な感触が靴の中に広がっていった。ゴアテックス仕様だし、深みで入り込んだのかな、と考えていたが、そのうち足裏の感覚に違和感があった。見るとソールが剥がれかかっていた。
7合目あたりのことだった。続行しようかどうか、しばし考えた。しかし、片方が壊れたということは、同じ年数のもう片方にも起こりうるということでもある。意を決して下山に入った。途中、二つのグループとすれ違いながら、「靴が壊れまして…」などと挨拶していた。果たして、五合目あたりで、もう片方もべろんとソールが半分剥がれた。両足のソールがべろんべろんである。冷たい雨がしみこむが、ウールの厚手のソックスのクッション性が頼もしかった。
登山口まで戻り、靴を履き替えソールをよく見てみると、中間のウレタン層から崩れ、剥がれていたのだった。
思えば、このサロモンの靴は17年経っていたのだった。柔らかいウレタンや接着剤は、加水分解やらの経年変化には耐えられないのだな、と実感した。
ちなみに連休中だったので、翌日も違う靴で再度挑んだのだが、その靴も、登頂後の下山中からソールのウレタン層に水が浸みこみはじめたので、さよならすることになってしまったのだった。そのアクシーズクインは15年だった。
最近の登山靴は軽量で価格も手ごろなのだが、耐用年数がはっきりと迫るというつくりなのだなあ、と感じ入った2日間だった。
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