ダッチオーブン(1)

伊達直人

2011年05月14日 04:14

冬期間、薪ストーブを焚いていると、常に、その熱源を何かに活用できないかと考える。
煮込みなどのストーブトップ・クッキングがまあそういうことだが、ダッチオーブンがあるので、中に突っ込んで行うこともままある。
安い丸鶏を入手したときなどは、ローストチキンだ。

薪だけでは、火力の維持に難があるので、木炭も少し用意しなければならない。オガ炭がコンパクトかつ火力十分で、こうした使用には向いている。
オーブンを入れる前に、その火加減、量はよくよく考えなければならない。外での調理と違って、炭を足したり減らしたりということは、あまりできないだろう。炭壺を用意すればいいだけなのだが、暖を取っているときにはあまり考えないものだ。

ストーブの中に入れてしまうと、なかなか蓋を開けられないので、中からの音と火力の様子に頼って判断している。
きちんと時間をはかれないこともないのだが、外では同じ条件にはならないし、様子を見ながら判断していきたいのだ。

手持ちの8インチはユニフレーム製だが、蒸気に耐えられず蓋が持ち上がって音を出す。ロッジの10インチでは、蓋の重さは十分に圧力に耐えられるようだ。ジューッという音が静かに聞こえてくる。

封じられたた蒸気調理なので、生臭さなどはないのがダッチオーブンの良さなのだが、僕は前日からタレに漬け込んでおくのが好みだ。さらに臭みは消える。
適当にスパイスをすり込み、ハーブ、醤油、ヨーグルト、ワインを掛けて袋に入れて、時折ひっくりかえしては満遍なく肉が漬かるようにする。

焼き上がりは、ジューッと音がして蒸気も少し漏れ出した頃にストーブから出すようにしてみた。炭や熾きは取り去り、余熱で仕上げるようにした。いつまでも焼いていると、思ったよりも火の通りが早く、かなり炭化してしまうことがあったからだ。


そして音がしなくなった頃合いには、じわっと奥まで火が通り、ほくほくに仕上がっている。タレがついているので、皮はどうしても焦げやすいが、剥がせばいいだけのことだ。
屋外と違って、ダッチオーブン本体がかなり熱を持つ。側面に接するイモやニンジンは焦げやすいので、フォイルに包む。

肉はもちろん旨いのだが、ニンジンがうまい。僕は決してニンジンは好きではないのだが、独特の野菜臭さがなく、グラッセしたように甘い。これを食べれば、どんな子どももニンジン嫌いにはならないだろう。

 


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